『kaidou〜目隠し鬼〜』

・・・登場人物・・・
マスター:学生御用達喫茶「kitti’s the hous」のマスター。
気さくな人で、コーヒーは飛び切り美味い!と親しまれている。推定年齢20代後半

ミヤ:学生御用達喫茶「kitti’s the hous」のウェイトレス。
童顔ともいえる可愛らしい容姿で男の子達に人気である。推定年齢19才

美玖:学生御用達喫茶「kitti’s the hous」の常連さん。
関西系ノリのお元気娘。推定年齢17才

真理:学生御用達喫茶「kitti’s the hous」の常連さん。
好奇心旺盛お嬢様。推定年齢17才

雅樹:学生御用達喫茶「kitti’s the hous」の常連さん。
和樹と双子で体育会系熱血少年。推定年齢17才

和樹:学生御用達喫茶「kitti’s the hous」の常連さん。
雅樹と双子でクール系熱血少年。推定年齢17才

目隠し少女(少女):異界の住人。一緒に遊んでくれる人を探している。
神隠しの原因となる少女。推定年齢小学低学年

ナレ:説明するまでもなく ナレーションである



001ナレ 「時は丑三つ時・・・シーンと静まり返った校舎に数人の足音と話し声が響いていた。
    彼女達は界隈で流れる噂の真相を確かめるために今ここにいたのだ。
    その噂というのは・・・
    そうこうしているうちに彼女達はじゃんけんをし、目隠し鬼をし始めた。
    「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪」
    その声は、どんどん離れていき、目隠しをされた少女はもちろんあわてる。
    そして一つの声に気づく。

002少女 「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪
    くすくすw こっちだよぉ〜
    お姉ちゃん。あ・そ・ぼ♪(ニヤリ

003ナレ 「目隠しをしていて真っ暗なはずの少女に、その声の持ち主の姿ははっきりと見えていた。

004少女 「ねぇ?お姉ちゃん。遊ぼうよ〜(ニヤリ

005ナレ 「段々とその声の持ち主が少女に近づいてくる。
    少女は怖くなり身体を動かそうとするが金縛りにあったかのように身体は動かない。

006少女 「フフフフフフフw

007ナレ 「不気味な笑い声とともに、迫る黒い闇・・・
    その後、少女は悲鳴を残して姿を消したのであった。

       【kaidou】〜目隠し鬼〜

008ナレ 「可愛らしいオルゴール調の曲の流れている、ちょっと洒落ているここは
    学生御用達喫茶『kitti’s the hous』
    そこに集まるは、おなじみの噂好きな常連高校生達。

009真理 「知ってまして?
    夜中に学校で目隠し鬼をしていると、
    目隠しした少女が現れて、どこかに連れて行ってしまうんですって

010美玖 「うっそ まじでぇ? それってめっちゃ怖いやん

011雅樹 「美玖って意外と怖がり?ww

012美玖 「な、何を言っているのかなぁ?私にはさっぱり…(^ ^;)

013真理 「でもぉ、本当かどうか調べてみたくなりませんこと?

014雅樹 「同感!

015和樹 「くだらねー(ボソ

016ナレ 「いつものように楽しく噂話をしている真理・美玖・雅樹の話に、
    コーヒーをすすりながら和樹は水を注した。
    当たり前のように三人に非難される和樹は少々焦りつつも反論した。

017和樹 「だって、そうじゃねーか?
    なんで わざわざ夜中の学校で目隠し鬼なんてしなきゃなんねーんだか。
    しかも高校生になってまで…

018ミヤ 「あら。でも和樹君、すごく興味ありなんじゃないんですか?(〃´∇`)

019マスター 「和樹君だって、男の子だということだなw

020和樹 「ミヤちゃんっ?! おやっさんまで! 何言ってんだよ、そんなわけっ…

021ナレ 「今まで彼等のやり取りを微笑ましく見ていた
    この店のマスターとウェイトレスのミヤが話しに参加してきた。
    図星をつかれ焦る和樹は必死に反論するも
    独特な癖を双子である雅樹が見逃すはずがなかった。

022雅樹 「ぶw こいつ、嘘つくとき鼻ヒクヒクするよなw

023和樹 「なにっ…
    くそー!! そんなに言うんなら行ってやろうじゃねぇか(`Д´)

024真理 「やはり、興味おありなんですね♪

025雅樹 「よし! 決まりだなw

026ナレ 「かくして、彼等の真夜中の冒険が始まった。

    しーんと静まり返った真夜中の学校は、想像以上に不気味さをかもし出していた。
    カツンカツンとこだまする冒険家達の足音と声が校内に響いている。

027美玖 「さすがに、この時間の学校って気味が悪いよなぁ

028和樹 「怖いんなら帰ってもいいんだぜ?

029美玖 「だ、誰が帰るて?!

030真理 「美玖さん、強がりは精神的に悪いですわよ?w

031美玖 「真理まで そないなこと言うんかぁ? うちは悲しいわ(つд`)

032雅樹 「美玖は怖がりさん・・・っとφ(・・ )メモメモ

033美玖 「ごらぁ 雅樹ぃww

034雅樹 「あははははw

035和樹 「ところでだ、誰が最初に鬼になる?

036真理 「えっと・・・わ、私は後にしますわ

037美玖 「ここは男の子優先ということで、どっちかやってよ(^ ^;)

038和樹 「普通、レディファーストっていうだろ

039雅樹 「はんっ。しょうがねぇなぁ。俺が最初に鬼になってやるよ。
    ったく。みんなして度胸がねぇんだからなぁ〜w

040ナレ 「雅樹は得意げに名乗り出た。
    異論を発する者は誰もいなく
    すんなりと鬼は決まり目隠しをし、ゲームが始まろうとしていた。

041和樹 「よし。んじゃ、始めるか

042雅樹 「あ、あぁ。なんか緊張してきたぜ。

043美玖 「んじゃぁ… 目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪

044真理 「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪

045和樹 「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪

046雅樹 「ぜってぇ 捕まえてやる!
    でも、こうやってると子供の時のことを思い出すよなぁ

047美玖 「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪

048真理 「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪

049和樹 「目隠し鬼さん 手の鳴る方へ〜♪

050雅樹 「え? お、おい?
    真理ちゃん? 美玖? 和樹!?

051ナレ 「笑い声を含んだ楽しそうな声は次第に遠くなり
    いつの間にか、雅樹の聞きなれない声に変わっていった。
    振り向くと、そこにはニヤリと歪んだ口元で笑いながら立っている
    雅樹同様 目隠しをしている少女がいた。

052少女 「くすくすw お兄ちゃん あ・そ・ぼ♪(ニヤリ

053雅樹 「お、女の子…?
    う、嘘だろ…俺、今目隠ししてるのに…

054少女 「お兄ちゃん。 遊ぼーよーぉ(ニヤリ

055雅樹 「ちょ、う、嘘だろ!? か、身体がっ…!?
    動け!動けよ!! …な…んで… なんで動かないんだよ!!!

056ナレ 「滑るように雅樹に近づいてゆく少女に、悪寒を感じ逃げようとするも
    その身体はまるで石になったかのように、ビクとも動かない。
    次第に少女は雅樹の目の前まで来ていた。
    ぬぅっとした、生ぬるい手で雅樹を掴むと、少女の口元はいっそう ニヤリと歪んだ。

057少女 「お兄ちゃん つかまえたぁ(ニヤリ

058雅樹 「うわぁあああああああああああああああああああああああああ!!

059ナレ 「時を同じにして、校門に三人の姿があった。

060美玖 「なぁ 雅樹 遅くなぃ?

061和樹 「もうとっくに集合時間過ぎてんのになぁ

062真理 「もしかして、怖くて怖気づいてしまったとか?w

063和樹 「先に出て行ったはずなのになぁ

064美玖 「案外、真理の説はあってるんやなぃ?w

065ナレ 「などと笑いながら待ち合わせ時刻を過ぎてもまだ来ぬ仲間を、三人は待っていた。
    と、その時!!
    校舎の方から雅樹の悲鳴が耳に刺さるように届いた。

066美玖 「なにっ?!

067和樹 「くっ!

068真理 「あ、待ってください!二人ともっ!!

069ナレ 「反射的に走り出す和樹と美玖。
    そんな二人に必死になってついていく真理。
    三人は暗い校内へと吸い込まれるように入っていった。

070美玖 「さっきの声って、雅樹だよね?

071和樹 「アイツ…先に来ていたのか。
    それにしてもなんで 校舎に入ってんだよ。待ち合わせは校門のところだって言ってたのに

072真理 「お二人とも早いですよぉ まってくださぃ〜
    暗いですし、静かですし、気味悪いですよぉ〜(´Å`)
    って、待ってくださぃ〜

073美玖 「ほら、早くおいでよぉ

074真理 「待って〜

075ナレ 「響く小走りな足音。しかしその音は急に止まった。

076真理 「えっ? どうしましたの?
    急に目隠しされたみたいに真っ暗に…

077少女 「目隠し鬼さん 手のなるほうへ〜♪ こっち こっち こっちだよぉ

078真理 「なっ なっ何ですの?! いったい何? どうしましたの?
    ちょっとっ!! そこにいるのどなた? どなたですのっ?!

079ナレ 「いきなりの事態にパニック状態になった真理。
    あたりに手をブンブンと振って何かを探した。
    そんな真理の手を、ぬぅっとした生暖かい手が捕まえた。
    その時、暗がりに ニヤリと歪んだ口元が笑っているのを真理は見てしまったのだ。

080少女 「お姉ちゃん つかまえたぁ(ニヤリ

081真理 「ひぃっ…
    いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ

082美玖 「っ?? 真理っ!!

083ナレ 「微かにしか聞こえない悲鳴を美玖は聞き逃さなかった。
    戻ろうと走り出そうとした美玖の腕を和樹は、ぐんっと引き寄せた。

084和樹 「美玖っ 俺から離れるな!

085美玖 「でも!!

086和樹 「いいから! 離れるな!!

087ナレ 「そう強く言う和樹の言葉とは裏腹に、美玖を掴んでいるその手は微かに震えていた。
    しーんと静まり返っている校内。
    二人の心音が聞こえてくるのではないかというほどに、空気は張り詰めていた。
    その時間が、長いのか短いのか… その時間(とき)は突然やってきた。

088美玖 「っ!! 何? 急に真っ暗にっ!!

089和樹 「美玖。手、つないどくぞ

090ナレ 「静かに言いつつも、繋ぐその手はどちらともなく震えを隠せないでいた。
    そんな二人の耳に、はるか遠くから聞こえる女のこの声…

091少女 「目隠し鬼さん 手のなる方へ〜♪
    お兄ちゃん お姉ちゃん 遊んでくれる?(ニヤリ

092美玖 「なっ 何なの?! あの子なに? やだ こっちに来んといて…
    やだ やっ いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ

093和樹 「美玖っ!!

094少女 「あ〜ぁ… お姉ちゃんは帰っちゃうのか。
    でも、お兄ちゃんは 遊んでくれるよね?(ニヤリ

095ナレ 「目隠しをしているせいか、少女の口元の歪みが不気味さを強調していた。
    何とかその場に留まっている和樹の額には、冷たい汗が流れていた。

096和樹 「てめぇ 一体なんなんだよっ

097少女 「私? 私は・・・わかんない。
    そんなのどうでもいいよ。 あ・そ・ぼ♪(ニヤリ

098和樹 「なっ?! なんなんだ?! 黒い闇がせまってくる?!
    ちくしょー! てめぇ 放せ。 その手を離しやがれ!!

099少女 「フフフフフフフフフw

100和樹 「止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!

101ナレ 「うねうねとした黒い闇が和樹を包み込もうとしたそのときであった。
    暖かな、けれど冷たい詩がそこに流れてきた。

102ミヤ 「〜夢と現の狭間で
    ゆらゆら ゆらゆら 流るるは
    目隠しの国の迷い子か
    光さす現に何求め
    帰る場所すら忘れたか?〜
    ここは貴女の場所ではないでしょ? どうしているの?

103マスター 「はぁ〜ぁ〜。まったく 誰だよこんなにでかい道を作ったのは…┐(´д`)┌
    和樹君は…気を失ってるか...
    さて…とりあえず、一仕事といくか

104ミヤ 「はぃ マスター

105ナレ 「その場とは不釣合いなほどに のほほんとしたマスターと
    喫茶店とは雰囲気が違い まるで人形のようなミヤがそこにいた。
    ミヤに奏でられる詩は周りの うねうねとした闇を打ち消していった。
    マスターは少女の頭をぽんぽんと撫でて、目線を合わせるかのようにしゃがんでみせた。

106少女 「おじちゃん達…だれ?
    お姉ちゃん やめてよぉ さっきから頭が痛いよぉ〜(つд`)

107マスター 「お嬢ちゃん。君には悪いが、君があるべき場所に帰ってもらうよ。

108少女 「嫌だよ。 あそこは一人になる。 そんなの嫌だよぉ

109マスター 「どっち道帰ってもらわないと困るんだよねぇ…
    じゃぁ 自分で行くのが嫌なら…
    強制的に帰すしかないな!!

110少女 「ひぃっ

111ナレ 「先程までののほほんとしたマスターの表情が、一変した。
    その表情には冷酷さがあった。
    少女の独特な歪んだ口元に笑いはなく、恐れが剥き出しになった。

112少女 「わ、わかったよぉ
    あそこは淋しいのに…
    私はただ 遊んでくれる人が欲しかっただけなのに…

113ナレ 「少女はゆっくりと闇の中に還っていった。
    やがて、ミヤの奏でる悲しい詩が、まるで今先程までのことが無かったかのように
    普通に戻った校内に響いていた。

    朝日が降り注ぐ校庭に彼等は倒れこむように寝ていた。

114和樹 「あれ?ここは…?

115美玖 「学校の…校庭みたいだね

116雅樹 「俺たちどうして…

117真理 「夢…だったのでしょうか

118マスター 「君たち、そんなことで寝てると風邪引くぞw

119和樹 「おやっさん?

120ナレ 「買出しの途中なのか 荷物を両手に抱え、いつもと変わらず
    のほほんとした口調でマスターが四人に声をかけた。

121真理 「わ、私たちみたんです!

122マスター 「見たって…何を?

123美玖 「幽霊…?

124真理 「…かなぁ?

125雅樹 「ん…

126和樹 「……

127マスター 「ぶw 何を言い出すかと思えば。
    何を寝ぼけてるんだかw

128雅樹 「そ、そんなじゃ…

129マスター 「ほら、いいから帰れww

130ミヤ 「みなさん、そのままで学校に行くつもりですか?(o´∀`o)

131ナレ 「いつもと変わらない、みんなのアイドル的笑顔でミヤが促すと
    四人はしぶしぶ帰っていった。
    昨日のことは嘘かホントか話しながら。

132ミヤ 「マスター いいんですか?彼等の記憶を消さなくても

133マスター 「いいんだよwどーせ、誰も信じるやつなんていないさww

134ミヤ 「マスターがそうおっしゃるなら…

135マスター 「さぁて、今日も天気がいいなぁww

136ナレ 「そういうと、マスターは眩しそうに遠くを見つめ笑みを浮かべていた。

   【kaidou】〜目隠し鬼〜 出演は…

137マスター 「マスター。〇〇

138ミヤ 「ミヤ。〇〇

139美玖 「美玖。〇〇

140真理 「真理。〇〇

141和樹 「和樹。〇〇

142雅樹 「雅樹。〇〇

143少女 「目隠し少女。〇〇

144ナレ 「ナレーション。〇〇
    以上のキャストでお贈りいたしました。

145少女 「くすくすw
    目隠し鬼さん 手の鳴るほうへ〜♪ くすくすw
    早く〜こっちだよ〜wフフフフフフフww

END