桜観 風花(おうみ ふうか)
ヒロイン。どこにでもいる純情乙女。容姿○性格○の生徒のアイドル的存在。有の事を知っていたようだが何か関係が…?
木見野 幼染菜(きみの よしな)
主人公の幼馴染。やたら元気な人。どこにでも一人は居る、取り合えず一番前に立つ先導力や統率力に優れた子。主人公の相談にもちょくちょくのってるらしい。
神崎 伶(かんざき れい)
脇役。変な喋りで友達付き合いが良い。でも名はあるけど呼ばれない、とりあえずムードメーカー的に一人は居る。そんな感じの不憫な役柄の人。
ナレ
読んで字のごとく。ナレーション
彼女の、隠していた全てを知った瞬間。
彼女と、僕の別れの時が動き出した―――瞬間。
有 飛んできたのはただの野球ボールか…とりあえず割れたガラスだけはまとめて…と。
風花 えへへ…有くんの彼女になっちゃった…♪
有 …なぁ、7年って言ってたけど、そんな昔にお前と俺って会ってたのか…?
風花 え、やっぱり覚えてないの?…はぁ。4月の時といい私って影薄いのかなぁー…。
有 そんなことは無いと思うが…7年前って言うとまだ小学生だったからな
風花 うん。それにね、一回しか会ってないの
有 一回しか…?
風花 うん、公園で転んで一人泣いてた私に手を差し伸べて声をかけてくれた。
ただそれだけでも私は嬉しかった、初めて私に優しくしてくれて
初めて私が好きだと思ったヒト、それが有くん。
有 …。
風花 ねぇ、有くん。キス…してもいいかな?
有 …一回だけだぞ。
風花 …。
教員 おい!何が起こったんだ、怪我は無いのかっ!?
有&風花 !!!!!!!!!!!!!!!(有で)
教員 ん…また野球部の連中か…。灸を据えてやらんとな…。
風花 (キス…できなかったね。)
有 (また今度のお楽しみ…ってことで。)
風花 (…うん♪)
ナレ ―――時は経ち。八月
進路を絞り始める受験生達。
有 …。
伶 …暑いな
風花 暑いねー…
幼染菜 夏だしねっ!
伶 …で、何でこんなところにいるんだろうな俺ら。
幼染菜 夏休みに皆で補習なんて青春だねっ!
有 仕方ないだろ、3年は就職、進学のために全員補習なんだから。
伶 はぁ…最後の夏ぐらい彼女とEnjoyしたかった…
幼染菜 あれー?彼女なんていたのかなーっ♪
伶 …。
有 こんな時期に女と遊んでる暇はないだろ…
伶 ほぅ…言ってくれるな貴様。
その貴様がいう"こんな時期"に我らが姫を誘拐せし魔王がっ!
有 はぁっ!?
風花 わー♪有くん魔王さまなんだー♪
幼染菜 あははっ。いいねーっ、じゃあ私勇者になろうかなーっ♪
伶 そうだ、今こそ一丸となりて魔王有を打ち倒すッ…!!
風花 わわ、駄目だよー。それでも有くんは私の王子様なんだよー。
幼染菜&伶 …(幼染菜で)
有 …よくそんな恥ずかしい事が言えるな。
風花 へ?
有 …なんでもない。
幼染菜 まぁそれは置いといてさっ!
どうせ今年で最後なんだから皆で何処か行きたいよねっ!
伶 じゃあ時期的に海とか良いんじゃないか?
有 海か…久しく行ってないな…
風花 わぁ…海って行ったこと無いんだよねぇ♪
幼染菜 へぇ、そうなんだっ。じゃあ決まりでいいねっ?
むしろ私が反対意見は認めないから決定っ!
―――――。
幼染菜 …で、日にちやらも決まりやってきました、雲一つ無い快晴の海日和ッっ!
風花 すごいねー、溶けちゃいそうだよー♪
幼染菜 そうともっ!
ここにいる皆、家族連れであろうとカップルであろうと
溶けそうなぐらいハッスルしているのさっ!
有 …さて、と。軽く泳いでくる。
幼染菜 なななっ!
ゆーくんは私達の水着姿が気にならないのかなっ!?
この完璧なプロポーションを持つ私と風ちゃん二人のプリンセスの
布一枚だけで隠された肢体が気にならないのかなっ!?
風花 あははー♪まぁ一緒に行こうよ有くん♪
伶 そう、そしてこの俺の肉体美も…
風花 じゃ、行こっかー♪
伶 まて、俺のギャグをスルーするならともかく服の下に水着は邪道だっ!
―――――。
有 ふぅ…今日は遊びすぎたかもな
風花 そんなことないよ。今日一日は遊ぶ、って決めたんだからどれだけ遊んでも一緒♪
有 …。
風花 ん。どうしたのー?
有 いや…高校出たらさ、俺達どうなるのかなって。
風花 どうなっちゃうん…だろうね
有 風花は高校出たらどうするんだ?
風花 えと…わかんない。
有 まだ決まってないのか。
風花 …。
有 風花。
風花 ん?
有 前出来なかったから今…いいか?
風花 はぇ?前?
有 えと、その…き、キス…
風花 …うん!
有 じゃ行くぞ…
風花 …
有 …ふぅ。
風花 …有くん、ありがと。
有 何がだ?
風花 もう思い残すことは何も無い…かな。
有 なに…言ってんだ?
風花 …ばいばい。
有 風花…?風花ッ!!!
有 ―――そのときから俺の周りの何かが変わった。
とぅーびーこんてぃにゅー☆